ヒーリング・アートの病状緩和作用

 人に癒し効果を与えるアート・写真などの「ヒーリング・アート」には、さまざまな種類のものがあります。

 その中には、医学的に患者の症状改善などに役立つという効果が確認されたものもあります。

 しかし、症状緩和効果が確認されていない場合でも、症状緩和作用が考えられるのです。

 症状緩和効果が考えられる根拠の一つは、「心と身体は、それぞれが独立して存在しているわけでなく、互いに影響し合っているため」というところから来ています。

 つまり、心の状態が身体に影響を与えると同時に、身体の状態が心の状態にも影響を与えるということです。

 これらを表す表現に、「心→身体」の例として、「病は気から」というのがあり、一方、「身体→心」においては、「健全な精神は健全な肉体に宿る」というものがあります。

 ところで、「病は気から」というのは、単なる迷信なのでしょうか?

 実は本当のことです。それは、科学的に証明されています。

プラセボ反応をご存知でしょうか?

 プラセボ反応(プラシーボ効果などとも言います)というのをご存知でしょうか?

 プラセボ反応とは、プラセボ(偽薬)という、実際には効き目ある成分が何も入っていないくすりなのに、信頼している人(医師など)から与えられると、患者自身は、自分が飲んでいるくすりは効き目があると思い込むことで、病気の症状が改善することがあるというものです。

 「病は気から」というのは、どちらかと言えば、マイナスの意味合いが強い表現ですが、プラセボ反応は、どちらかと言えば、プラスの意味合いが強いです。

 プラセボ反応のことを、プラセボ効果と呼ぶ専門家が多いのですが、物理的な作用ではなく、心理的な作用で、「患者が勝手に思い込む」ということなので、「反応」という表現の方が正しいと思います。

  いずれにしても、プラセボ反応というのは、非常に強力です。そのため、開発中の新薬の効果を調べるときには、プラセボ反応を考慮に入れなければなりません。

 そこで、「二重盲検法」という仕組みが導入されています。

ある新薬の効果を確認するために、新薬を与える患者を2つのグループに分け、一つのグループには新訳を与え、もう一つのグループには、プラセボ薬(毒にも薬にもならない偽物のくすり)を与えて、その効果を比較するのですが、薬を与える側の医師に対しても、新訳なのかプラセボ薬かはわからないようにし、要するに、「二重に」というのは、医師の側も患者の側も、「盲人」の状態にして、比較するのです。

 例えば、患者が200名の場合、AグループとBグループが、それぞれ100人ずつの患者グループに分けて比較したところ、新薬を与えた患者の70人が症状改善し、プラセボ薬の場合でも、60人に症状緩和が認められた場合、「統計上の有意的な差」があると判断された場合には、新訳に効果があると判断されますが、プラセボ薬を与えた場合との「有意的な差」がないと判断されると、多くの患者に症状緩和が見られても、新薬としての効果はないと判断されるのです。

 よく、健康食品などの広告で、「健康食品を摂取した〇〇〇人に効果がありました!」などというのがよくありますが、二重盲検法やプラセボ反応を無視したものは、まったく宛てにならないということです。しかも、健康食品が高額であればあるほど、消費者心理として、「効果がある」と思いがちなのです。

 いずれにしても、心がどのように感じるのかで、身体に対して、プラスにもマイナスにも、大きな影響を与えるということなのです。

アート一般にも癒し効果あり

 症状緩和効果が考えられる根拠の二つ目は、一般のアートにおいても、それを見た人の気持ちを穏やかにしたり、幸福感を満たしたりなど、一定の癒し効果があると考えられており、ヒーリング・アートの場合には、その癒し効果が大きいと考えられるからです。

 「ヒーリング・アート」を見て、怒ったり、イライラしたりするというのは考えにくく、気持ちが落ち着くとか、他人あるいは自分自身を許気持ちが湧いてきたり、優しい気持ちになる人が多いと思います。

 

 症状緩和効果が考えられる根拠の三つ目は、「人の感情は伝染する」という性質があるからです。心理学の難しい用語では、「情動感染」と呼ばれているものです。

 たとえば、感動的な映画を見て、映画の中の人物の感情とシンクロして涙を流すというのは、ミラーニューロン(共感細胞)を通じて、映画の中の登場人物の感情が直接伝わるのです。

 よく、「群集心理」とか、「集団心理」と呼ばれているものも、こうした「感情の伝染力」が現れたものですが、残念ながら、ネガティブな感情の伝染力の方が強いので、「群集心理」は、どちらかと言えば、ネガティブな影響力が発揮されることが多いです。

 一方、ヒーリング・アートを見て、感動したり、優しい気持ちになったりすると、その周りで、同じヒーリング・アートを見ている人たちの感情とシンクロし、顔を見合わせると微笑んだり、感動的な気持ちになるなどの増幅効果が考えられるのです。つまり、「ヒーリング・アート」は、単独で見るだけでも効果がありますが、ヒーリング・アートのポスターの掲示を見て、近くにいる人たちのプラスの感情がどんどん伝染していく可能性があるのです。

 病院スタッフは、ヒーリング・アートを自ら見て癒しを得るだけでなく、患者さんやその家族が笑顔になることや穏やかな感情に満たされることでも、癒しが得られるという人が大勢います。

 病院のあちこちに、ヒーリング・アートを飾っていただき、それを見て癒しを得た人が、その周りの人たちの心にも癒しの気持ちを次々と伝染させ、病院スタッフや入院患者さんやその家族、外来できた患者さんたちの多くの気持ちが癒されるようにしませんか?

 私たちは、大勢のヒーリング・アート作家・写真家のご協力を得て、日本中の病院に、癒し効果を広げていきたいと考えています。

 

<参考>
With コロナ時代とヒーリング・アート

 ★人類も地球も「癒し」が求められている

 新型コロナウイルスの登場は、これまで人類の歴史上も初めてと言っていいくらい、全世界をゆるがす事態となっています。 しかも、どうやら一時的な「経験」にとどまらず、これからは、「コロナと一緒に生きていかざるを得ない時代、『withコロナの時代』に突入したと言われています。

 『withコロナの時代』には、医療関係者はもちろんですが、一般の人たちに対しても、ヒーリング(癒し)が必要です。

 さらに、「ヒーリング(癒し)」が必要なのは、人類だけでなく、地球に対しても必要だと思います。

 人類にとって、新型コロナウイルスは共存したくない、できれば絶滅させたい存在かもしれませんが、実は、地球にとっては、人類こそ、新型コロナウイルスのような存在になってしまったという人たちがいます。

 人類といえる存在が地球に登場してからの100万年の人類史上でみると、そのほとんどの期間は、地球にとっての人類は、善玉菌でもなく、悪玉菌でもない、いわゆる日和見菌のような存在だったと考えられます。

しかし、人類史から見れば、ほんのわずかな期間でしかない100年ほどの間に、地球環境に対して大きな悪影響を与える存在となり、しかも、人口が激増する状況は、地球から見れば、悪玉菌が異常増殖しているとみなされても仕方ないのかもしれません。

 

そこで、地球自体が、自身の生存を守るために、全世界的な異常気象や天災地変を起こすことによって人類に警告を与え、それでも人類が行動を改めないなら、人類を滅亡させようと、さまざまな対策を講じてくるだろうというのです。

 

★「ガイア仮説=地球は生き物である」

 いまから50年以上も前に、NASAに勤務していたジェームス・ラブロック博士は、「地球は一つの巨大な生命体である」として「ガイア仮説(ガイア理論)」を唱えました。

 当初は、まったくの荒唐無稽なたわごとのように扱われていましたが、「生命の定義」まで遡って、今でも、「巨大な生命体説」は生き残っているのです。

 

★地球には、他の惑星にはない「ホメオスタシス(恒常性)がある

 地球温暖化などにより、世界中で異常気象が見られます。しかし、「昼夜の寒暖差」を見ると、世界中どこに行っても、せいぜい20~30度程度でしょう。

 しかし、たとえば、月の場合だと、昼の温度は110度もあり、一方、夜になるとマイナス170度にもなるのです。ただ、月の自転周期が27日間もあり、人類が初めて月面着陸した時の「月面滞在時間」はわずか1時間半だったため、恐ろしい寒暖差を感じることがなかっただけです。

 太陽に最も近い水星の「昼夜の寒暖差」は約600度、火星の場合は約100度です。

 一方、金星の場合には、「昼夜の寒暖差」はあまりないようですが、昼夜ともに、460度にも達するようです。

 こうして比較してみると、「地球」の異常さが際立っていると思いませんか?

 人間の体温が、一日を通しても、ほとんど変わらないのと同じように、地球の表面温度も一定なのです。これは、「ホメオスタシス(恒常性)」というものですが、哺乳類などの」「高等生物」だけが持っているものです。つまり、地球も「高等生物」なのではないかということです。

 地球がホメオスタシスを持っているということは、ホメオスタシスを破壊しようとする外敵に対しては、攻撃を仕掛けるのは当然のことです。

ひょっとして、人類は、地球の敵になってしまい、地球は、自らの生存環境を守るために、人類に脅威を与える未知のウイルスをどんどん作り出しているのかもしれません。

 人類は、自ら癒しが必要なだけでなく、「地球への癒し」を考える必要があるのです。